第14回 ワイヤー矯正とインビザライン、あなたに合うのはどっち?それぞれの違いを徹底比較!
「歯並びをきれいにしたいな」と考えたとき、多くの方が矯正治療を思い浮かべるのではないでしょうか。でも、「ギラギラした装置は目立つから嫌だな」「痛いのかな?」「食事はどうなるんだろう?」など、たくさんの疑問や不安が湧いてきますよね。
ひと昔前までは「矯正=金属のワイヤー」というイメージでしたが、今では治療法の選択肢も増えています。特に人気なのが、昔ながらの「ワイヤー矯正」と、透明で目立たない「インビザライン(マウスピース矯正)」です。
そこで今回は、毎日たくさんの患者さんのお口を見ている歯科衛生士の視点から、この2つの矯正方法の違いを、皆さんの気になるポイントごとに分かりやすく解説していきます!ぜひ、ご自身に合った治療法を見つける参考にしてくださいね。
1.矯正治療の王道!「ワイヤー矯正」とは?
ワイヤー矯正は、最も歴史が長く実績も豊富な矯正方法です。いわば、歯並び治療の「王道」ですね。
【仕組み】
歯の表面一つひとつに「ブラケット」という小さな装置を接着し、そこにワイヤーを通して、そのワイヤーが元に戻ろうとする力を利用して歯を少しずつ動かしていきます。歯を正しい位置へ導くための「レール」を敷くようなイメージです。
【ワイヤー矯正のメリット】
対応できる症例が幅広い: 歯のがたつきが強い、出っ歯や受け口など、どんなに複雑な歯並びにも対応できるパワーがあります。歯を大きく動かす必要がある難しい症例でも、確実な治療が期待できます。
自己管理が楽: 装置は歯科医師がつけるので、一度つけたら自分で外すことはありません。「うっかりつけ忘れた!」という心配がなく、治療が計画通りに進みやすいのが大きなメリットです。
豊富な実績: 長い歴史がある分、世界中で多くの治療実績があり、治療結果の予測が立てやすいという安心感があります。
【ワイヤー矯正のデメリット】
見た目が気になる: 一般的な金属のブラケットは、どうしても目立ってしまいます。(※最近では、歯の色に近い白いセラミック製ブラケットや、歯の裏側に装置をつける「裏側矯正」など、目立ちにくい選択肢も増えています!)
痛みや違和感が出やすい: 装置を調整した後の数日間は、歯が動く痛みを感じやすいです。また、ブラケットやワイヤーの端が唇や頬の内側にあたって、口内炎ができてしまうこともあります。
食事に制限がある: 粘着性の高いお餅やガム、硬いおせんべいなどは、装置が外れたり壊れたりする原因になるため、避ける必要があります。また、食べ物が装置に絡まりやすいです。
歯磨きが大変: 装置の周りはとても汚れがたまりやすく、磨き残しが多くなりがちです。専用の歯ブラシやフロスを使って丁寧にケアしないと、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。
2.矯正治療のニューウェーブ!「インビザライン」とは?
インビザラインは、透明なマウスピース型の装置を使った、比較的新しい矯正方法です。「矯正していることを誰にも気づかれたくない」という方に絶大な人気を誇ります。
【仕組み】
まず、精密な歯型をとり、コンピューター上で治療完了までの歯の動きをシミュレーションします。その計画に沿って、少しずつ形の違うマウスピースを何十枚も作成します。
そのマウスピースを、1~2週間ごとにご自身で新しいものに交換していくことで、歯を計画通りに動かしていきます。歯を優しく包み込んで、理想のゴールまでエスコートしてくれるようなイメージですね。
【インビザラインのメリット】
とにかく目立たない: 薄く透明なマウスピースなので、装着していても周りの人から気づかれることはほとんどありません。接客業の方や、見た目が気になる学生さん、大人の方にぴったりです。
痛みが少ない: 歯を動かす力がワイヤー矯正に比べて緩やかなため、痛みを感じにくいと言われています。また、装置が口の中を傷つけて口内炎になる心配もほとんどありません。
食事を自由に楽しめる: 食事の時は自分でマウスピースを外せるので、矯正前と変わらず何でも好きなものを食べられます!
衛生的でお手入れが楽: 歯磨きの時もマウスピースを外せるので、隅々までしっかり磨くことができます。お口の中を清潔に保ちやすく、虫歯のリスクを低く抑えられるのは大きな魅力です。
【インビザラインのデメリット】
徹底した自己管理が必要: 治療効果を得るためには、1日20~22時間以上の装着が必須です。食事と歯磨きの時以外は、基本的にずっとつけている必要があります。装着時間が短いと、計画通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまう最大の原因になります。
適応できない症例もある: 骨格的な問題が大きい場合や、歯を抜いてスペースを大きく閉じる必要がある症例など、歯の動きによってはワイヤー矯正の方が適している場合があります。(※ただし、技術の進歩は目覚ましく、インビザラインで対応できる症例は年々増えています!)
紛失・破損のリスク: 取り外しができる分、外出先で外した際にティッシュにくるんでそのまま捨ててしまったり、うっかり壊してしまったりするリスクがあります。
3.一目でわかる!ワイヤー矯正 vs インビザライン 比較表
4.まとめ:一番大切なのは、あなたのライフスタイルに合わせること
ワイヤー矯正とインビザライン、どちらにも素晴らしいメリットがあります。
「自己管理は苦手だけど、どんな歯並びでもしっかり確実に治したい!」 という方には、ワイヤー矯正が向いているかもしれません。
「とにかく見た目を重視したい!食事も楽しみたいし、自分でしっかり管理できる!」 という方には、インビザラインがぴったりでしょう。
矯正治療は、年単位の長いお付き合いになります。だからこそ、ご自身の性格やライフスタイル、そして「何を一番優先したいか」を考えることが、後悔しない治療法選びの鍵となります。
最終的にどちらの治療法があなたにとって最適なのかは、精密な検査・診断をしてみないと分かりません。まずは「こんな風になりたい」「こんなことが不安」というあなたの想いを、私たち歯科医師や歯科衛生士に遠慮なくお話しください。
あなたにぴったりの方法を一緒に見つけて、自信の持てる素敵な笑顔を手に入れましょう!いつでもお気軽にご相談くださいね。