第12回 抜歯や手術前のクリーニングは何のため?
抜歯やお口の中の手術を受けることになったら不安ですよね。特に、抜歯後や手術後はできるだけ苦痛を少なくしたいものです。
実は、そのために術前のクリーニングはとても大切なんです。
今回は、当院で必ず行っている、抜歯や術前のクリーニングの重要性をご説明します。
1. 細菌感染予防
お口の中に歯垢や歯石が残っているまま手術を受けると、傷への細菌感染リスクが高まります。抜歯や手術直前にクリーニングを受けることでお口の中の細菌を減らし感染リスクを減らすことができます。
2. 術後の回復の促進
手術前に口腔内が清潔であると、組織の治癒がスムーズに進行します。感染が少ない環境では、体の免疫反応が適切に機能し、組織の修復が迅速に行われるため、結果的に手術の成功率が上がります。
3. 抜歯後の合併症の軽減
抜歯後に起こり得る合併症(例えば、ドライソケットや膿瘍)のリスクを低減するためにも、事前のクリーニングが有効です。
※ ドライソケット
抜歯後に発生する痛みを伴う合併症で、通常、血餅(血の塊)が抜歯後の歯の穴を覆って保護する役割を果たします。しかし、汚れや細菌が口腔内に残っていると、その血餅がうまく形成されなかったり、早期に分解されたりすることがあります。これにより、骨が露出してひりひりした強い痛みがしばらく続く病状です。
4.術後も大切
当院では、術前は必ず汚れを歯垢染色液で染め出してしっかりクリーニングをするようにしております。その後、お口の中と外を薬剤で消毒したうえで、手術が始まります(詳しくは→「当院の3つのこだわり」「院内感染予防」)
ただし、せっかくきれいな状態で抜歯や手術をしても、術後のお口の中の衛生状態や生活態度が悪いと、細菌感染や組織の治癒が遅れたりします。術後の過ごし方も詳しくご説明しておりますので、少しでも苦痛少なく回復するためにも、ぜひ術後の注意事項を守ってくださいね。