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親知らずや
過剰歯などの難抜歯

親知らずについて

親知らずについて

親知らず(第三大臼歯)は、ヒトの永久歯の一種で、英語では”wisdom teeth”、日本語では「智歯」とも呼ばれます。分別がつく年齢になって生えてくることからこの名称がついています。
現代人は顎が小さくなっているため、親知らずが正常に生えるスペースが不足し、横向きに生えたり、一部しか萌出できていなかったりすることが多く、さまざまな問題を引き起こします。また、位置が奥で清掃が難しいため、虫歯や智歯周囲炎を発症しやすく、時には歯並びにも悪影響を及ぼします。

親知らず抜歯の必要性

親知らずの生え方や位置には個人差があり、すべての親知らずを抜歯する必要はありません。このような症状がある場合は抜歯することをおすすめします
  • 歯肉の頻繁な腫れ
  • 咬合に参加していない
  • 横向きに生えて隣接歯に悪影響を与えている
  • 顎関節症の原因となっている
  • 清掃が困難で虫歯を繰り返す
  • 他の歯の位置異常の原因となっている

親知らず抜歯の方法

親知らずの位置や生え方によって、抜歯方法が異なります。

単純抜歯

まっすぐに生えている場合は、通常の抜歯と同様の方法で抜くことができます。

分割抜歯

歯根が曲がっていたり分岐していたりする場合は、歯を分割して抜歯します。



埋伏智歯抜歯

横向きや斜めに生えている場合は、以下のステップで抜歯を行います。

  • 局所麻酔を施す
  • 歯肉を切開・剥離する
  • 必要に応じて骨を削除する
  • 歯を分割して抜去する
  • 歯肉を縫合する

当クリニックでは、術前に詳細な説明を行い、患者様のご理解のもと、万全の感染予防対策で抜歯手術を実施しています。

親知らずの移植

親知らずの移植

大臼歯を抜歯しなければならない場合、通常はブリッジや入れ歯、インプラントで補います。しかし、条件を満たした健康な親知らずがある場合、移植することが可能です。
移植のメリットは、周囲の健全な歯を削る必要がないことですが、多くの場合、移植する親知らず自体の神経除去処置が必要となります。

抜歯手術の注意事項

  • 保険証はご本人のものが必要です
  • 未成年の方の手術には保護者の承諾署名が必要です
  • 抜歯直後の麻酔効果がある間は飲食ができません
  • 抜糸までの1週間は、激しい運動や飲酒、喫煙などを控えてください
  • 抜歯後に開口障害や内出血が生じる可能性があります
  • 稀に神経損傷によるしびれが生じることがあります
  • 上顎の抜歯では副鼻腔に穿通することがあります

口腔外科専門医による安心の親知らず抜歯

歯科医師の診療範囲は歯だけでなく、口唇、頬粘膜、口蓋、舌、口腔底、顎、唾液腺など多岐にわたります。しかし、口腔外科治療には専門的な研修が必要です。
親知らずの抜歯手術は口腔外科の基本手技でありながら、高度な技術が求められます。特に埋伏智歯抜歯では、歯肉の切開・剥離、骨の削除、歯の分割、縫合などの処置を、狭く見えにくい部位で迅速かつ正確に行う必要があります。

専門的な研修を受けていない歯科医師による抜歯では、長時間の手術になったり、顎関節脱臼や神経損傷などの合併症が生じたりすることがあります。一方、口腔外科の訓練を受けた歯科医師による抜歯は通常15〜30分程度で終了し、合併症への適切な対応も可能です。

当クリニックでは、病院歯科・
口腔外科での
研修経験を持つ
専門医が抜歯手術を担当しています。

短時間で出血量が少なく、治癒経過も良好な手術を提供し、基礎疾患をお持ちの方にも安心して治療を受けていただけます。

親知らずの抜歯について詳しくは下記よりご覧ください。

歯根の膿やのう胞を
除去する処置

歯根端切除術

歯根の感染や歯髄(神経)の壊死により、歯根外部の歯槽骨に膿やのう胞が形成されることがあります。歯根端切除術は、これらを直接外科的に除去する処置です。

根の先端が腐敗し、根の周囲(骨の中)に膿の袋ができてしまう。

根の先端が腐敗し、根の周囲(骨の中)に膿の袋ができてしまう。

手術で膿の袋と腐敗した根の先端を切除する。

手術で膿の袋と腐敗した
根の先端を切除する。

手術後、経過とともに骨が再生する。

手術後、経過と
ともに骨が再生する。

歯根端切除術の手順
  • 歯根先端部の腐敗組織と膿のう胞を特定
  • 外科的アプローチにより膿のう胞と感染した歯根先端部を切除
  • 手術後の適切な経過観察により骨の再生を促進

すべての歯に対してこの処置が可能ではなく、歯の位置や状態により適応が異なります。詳細については個別にご相談ください。

歯の再植術・移植術

歯の再植術

再植術は、歯根先端に難治性の炎症やのう胞がある場合に行われる処置です。

いったん抜歯し、膿や炎症部分を除去。

いったん抜歯し、
膿や炎症部分を除去。

きれいにした骨の中にきれいにした歯を戻し、骨に生着させる。

きれいにした骨の中に
きれいにした歯を戻し、骨に生着させる。

歯の再植術・移植術の手順
  • 問題のある歯を一時的に抜歯
  • 歯根先端部と周囲の炎症組織を丁寧に除去
  • 清掃した同じ歯を元の位置に戻し、周囲の歯槽骨に再び生着させる

歯の移植術

移植術は、不要な自己の歯(咬合に参加していない親知らずや矯正のために抜歯する歯)を、抜歯が必要となった部位に移植する方法です。

悪い歯を抜歯。

悪い歯を抜歯。

不要な親知らずを抜歯して、歯が必要な部位へ移植する。

不要な親知らずを抜歯して、
歯が必要な部位へ移植する。

歯の移植術のメリット
  • 自分の歯を活用した自然な修復が可能
  • ブリッジのように周囲の健全な歯を削る必要がない
  • 生体親和性に優れる

なお、親知らず以外の歯の移植は保険適用外となりますので、ご了承ください。

骨や歯肉・粘膜の整形術

骨(歯槽骨)の整形術

抜歯後、残った歯槽骨がとがっていたり
凹凸が残った場合、骨の形を整える手術をします。

このようなときには骨の整形が必要となることがあります
  • 抜歯後の骨が不均等に吸収され、鋭利になって舌や粘膜を傷つける場合
  • 義歯の安定性を向上させるために、歯肉下の骨形態を修正する必要がある場合

歯肉・粘膜の整形術

このようなときに歯肉や粘膜の整形を行います
  • 可動性の粘膜を義歯床の外側に移動させる処置(義歯の安定性向上)
  • 上唇や舌の小帯(ひだ)が短いために機能障害がある場合(小帯切除術)

上唇小帯延長術

上顎前歯の間に入り込んだ上唇の小帯により、歯の離開(すきま)が生じている場合に行います。小帯を切除し縫合することで、歯が自然に正中に戻ることがあります。場合によっては矯正治療が必要になることもあります。

上あご前歯正中に入り込んだ上唇のひだ(小帯)のため歯が離開してしまってます。

上あご前歯正中に入り込んだ上唇のひだ(小帯)のため歯が離開してしまってます。

小帯を切除し縫合離開した歯は自然に正中に戻る場合と縫合治療が必要な場合があります。

小帯を切除し縫合離開した歯は自然に正中に戻る場合と縫合治療が必要な場合があります。

舌小帯延長術

舌小帯が短いと、舌の前方への動きが制限され、発音や嚥下機能に影響が出ることがあります。手術により舌小帯を延長することで、舌の可動域を広げ、機能を改善します。

舌小帯が短く、舌が前に出せません
舌小帯が短く、舌が前に出せません

舌小帯が短く、舌が前に出せません

舌小帯が短く、舌が前に出せません
舌小帯が短く、舌が前に出せません

舌小帯が短く、舌が前に出せません

ガミースマイル治療

笑ったときに上顎の歯肉が過度に露出するガミースマイルには、外科的処置で改善が可能です。手術を望まない方には、上唇挙筋の過剰な動きを抑制するボツリヌストキシン製剤注射による非外科的治療もご提供しています。

審美歯科

ガミースマイル

口腔腫瘍の摘出術

口腔内には良性・悪性を問わず様々な腫瘍が発生することがあります。当クリニックでは以下のサービスをご提供しています。

  • 良性腫瘍の外来での摘出術
  • 非侵襲的な細胞診断(液状化検体細胞診)による検査
  • 確定診断のための組織診断

口腔がんと診断した場合は、直ちに連携する病院口腔外科に迅速にご紹介いたします。早期発見・早期治療が予後を大きく左右するため、口腔内の異変にお気づきの際は早めにご相談ください。

外傷に対する手術

外傷により以下のような損傷が生じた場合の処置を行っています。

歯の破折

  • 口腔粘膜の裂傷
  • 歯槽骨の骨折

また、完全脱臼した歯(抜けてしまった歯)についても、条件が整えば再植処置が可能な場合があります。顎全体や顎関節の骨折については入院治療が必要となるため、適切な医療機関をご紹介いたします。

その他の口腔外科処置

  • 急性炎症に対する切開排膿術や点滴治療
  • 唾液腺内の唾石摘出術
  • その他の口腔外科的処置

顎関節症

顎関節症は、顎関節やその周囲筋の痛み、関節音、開口障害などの症状を総称する疾患です。一つでも症状があれば顎関節症と診断されます。
当クリニックでは症状に合わせて以下の治療を組み合わせて行っています。

  • スプリント療法(マウスピースを用いた治療)
  • 薬物療法
  • 理学療法
  • 咬合治療

特に「クローズドロック」と呼ばれる急性の開口障害には早急な対応が必要です。難治性の場合は顎関節周囲への麻酔やヒアルロン酸注入(パンピング)による治療を行います。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりは睡眠中に歯と歯をこすり合わせる現象で、食いしばりは日中の緊張時に歯を強く噛みしめる状態です。これらにより以下の問題が生じることがあります。

  • 歯の磨耗や破折
  • 知覚過敏
  • 歯の動揺
  • 骨隆起の形成
  • 顎関節症の誘発
  • 頭痛や肩こりなどの全身症状

当クリニックではオーダーメイドのマウスピース作製による保護や、ボツリヌストキシン製剤(ボトックス)注射による咬筋力を弱める根本的治療をご提供しています。

顎関節の脱臼

加齢とともに顎関節は磨耗し、関節窩(関節がおさまるくぼみ)も浅くなるため、顎が外れやすくなります。脱臼したまま放置すると元に戻すことが困難になるため、速やかな処置が必要です。当クリニックでは迅速な整復処置を行っています。

舌痛症・舌炎

舌痛症は器質的異常がないにもかかわらず舌に痛みを感じる疾患です。一方、舌炎は主に口腔細菌が原因で、舌先のぴりぴりとした痛みが特徴的です。両者は適切な鑑別診断と治療法が異なるため、専門的な診断が重要です。

粘膜疾患

口内炎やアレルギー反応など、口腔内の様々な粘膜疾患の診断と治療を行っています。歯科材料によるアレルギー反応についても対応いたします。

口腔乾燥症

加齢や薬剤の副作用、全身疾患などにより唾液分泌が減少する口腔乾燥症の診断と治療を行っています。極端な唾液減少は重大な疾患のサインである場合もあるため、適切な検査が必要です。

顎口腔領域の機能障害

睡眠時無呼吸症候群や嚥下・言語障害などの機能障害に対する診断と治療を提供しています。特に脳梗塞が原因の機能障害は、早期治療が重要です。

無呼吸時睡眠症候群治療の詳細はこちら

その他の口腔疾患

  • 三叉神経痛や顔面神経麻痺などの神経性疾患の鑑別診断(歯痛や顎の痛みとの区別が重要)
  • 口臭に対する総合的診断と処置

当クリニックでは口腔外科・口腔科領域の専門的知識と技術を活かし、患者様お一人ひとりに最適な治療を提供しております。お口の健康でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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