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“痛くないから大丈夫”選手権 開幕!~お口の潜伏トラブルトップ5~

2026.11.02

「痛くないし、まだ大丈夫かな」

歯科医院の検診で痛くない歯の治療をすすめられたとき、そんなふうに思ったことはありませんか?

 

こんにちは、歯科衛生士のRです。

「歯医者さん=痛くなったら行くところ」と思っている方は、実はとても多くいらっしゃいます。でも、お口のトラブルの中には、痛みがないまま静かに進行していくものがたくさんあるのです。

そこで今回は、アルティス歯科・矯正・口腔外科クリニック西宮北口の衛生士の独断と偏見(と、日々の診療での実感!)で選ぶ、“痛くないから大丈夫と思われがち選手権”を開催します!

※医学的な正式ランキングではありません。あくまで「症状が出にくく、患者さんご自身では気づきにくい」という観点でご紹介するものです。ご自身のお口に思い当たる節がないか、チェックしながら読んでみてくださいね。

第5位 被せ物・詰め物の下の虫歯(二次カリエス)

第5位 被せ物・詰め物の下の虫歯(二次カリエス)

〜外見は優等生、中ではこっそり活動中〜

「治療して被せ物が入っているから、この歯はもう安心」「見た目もキレイだし、痛くないから大丈夫でしょ?」

……実は、そうとは限りません。

実は、治療が終わった歯=トラブルが終わった歯、ではありません。毎日の食事で噛む力がかかり続けたり、詰め物・被せ物自体の金属劣化や接着に使うセメントが経年劣化したりすることで、詰め物・被せ物と歯との境目にわずかな隙間ができることがあります。そこから虫歯菌が入り込み、外からは見えないまま内部で虫歯が再び進行してしまう。これを「二次カリエス(二次虫歯)」と呼びます。

外側が金属やセラミックで覆われているため肉眼では分かりにくく、神経を取ってある歯の場合は痛みも出にくいのが厄介なところ。ご本人は何も感じていないのに、定期検診でレントゲンを撮ってみると「え、こんなところに虫歯があったんですか?」と驚かれるケースは少なくありません。

外見はきちんとした優等生。だからこそ油断できないタイプの選手です。

第4位 歯のヒビ・噛み合わせトラブル

〜普段は静か。でも突然キレます〜

「硬いものを噛んだ時だけ、なんとなく変な感じがする」「たまに違和感があるけど、すぐ治る」

そんな曖昧な症状で長く潜伏しているのが、歯のヒビや噛み合わせのトラブルです。

歯の表面のエナメル質は体の中で最も硬い組織ですが、長年の使用や歯ぎしり・食いしばり、噛み合わせの偏りによって、目に見えないほどの細かなヒビ(マイクロクラック)が入ることがあります。特に歯ぎしりや食いしばりは寝ている間の無意識のクセなので、ご本人が自覚していないことも多いのです。

入ったばかりのヒビは普段ほとんど痛まないため、「気のせいかな」と見過ごされがち。しかしヒビが自然にふさがることはなく、噛む力がかかり続けると少しずつ深くなっていくことがあります。

そしてある日突然、「昨日まで普通に食べられたのに、急に痛くて噛めない!」なんてことも。ヒビが根まで進んで歯が割れてしまうと(歯根破折)、抜歯が必要になる場合もあります。

普段は静かなのに突然豹変する、油断できない選手です。

第3位 虫歯

第3位 虫歯

〜有名選手なのに、序盤は意外と無口〜

「虫歯=痛いもの」というイメージは強いですが、実は虫歯は最初から痛むわけではありません。

歯は、外側から「エナメル質」「象牙質」、中心に神経の通る「歯髄」という構造になっています。エナメル質にとどまる初期の虫歯(C1)では、痛みを感じることはほとんどありません。象牙質まで進んだ段階(C2)でも、冷たいものが時々しみる程度で、普段は痛まないことが多いのです。

「ズキズキ痛い」「夜も眠れないほど痛い」と感じるのは、多くの場合、虫歯が神経の近くまで進んだ段階(C3)になってから。つまり、はっきりした痛みが出た時点で、すでに試合はかなり終盤なのです。「痛くなったら歯医者に行けばいい」と思っていると、受診した時には神経を残すのが難しくなっていたり、治療の回数や費用がかさんでしまったりすることがあります。

知名度は抜群なのに、試合の序盤は静かに進める策士タイプです。

第2位 根の先の病気(根尖性歯周炎)

〜気づかれず長期潜伏するベテラン〜

「神経を取った歯だから、もう痛む心配はないはず」

これもよくある誤解のひとつです。神経を取った歯でも、根の先に細菌が入り込んで炎症を起こす「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」という病気があります。

神経を取った歯は内部に痛みを感じる神経がないため症状が出にくく、根の先で炎症が広がっていても、ご本人は無症状のまま過ごしていることがよくあります。別の目的で撮ったレントゲンで初めて見つかり、「痛くも痒くもないのに!」と驚かれることも。

そして体調不良や寝不足、疲れなどで免疫力が下がったタイミングに、突然歯ぐきがプクッと腫れたり、痛みや違和感が出たりすることがあります。今まで眠っていた細菌が暴れだし骨の中に膿が溜まって、はじめて気づくことが多いのです。何年も、時には十年以上も静かに潜伏し続ける、息の長いベテラン選手です。

第1位 歯周病

第1位 歯周病

🏆 王者・歯周病
〜“静かなる病気”の異名は伊達じゃない〜

堂々の第1位は、やはり歯周病です。

歯周病は、2001年版のギネス世界記録に「全世界で最も蔓延している病気」として掲載されたことがあるほど身近な病気。それなのに、かなり進行するまで強い痛みが出にくいという特徴があります。

歯磨きの時に血が出る。歯ぐきが少し下がって、歯が長くなった気がする。朝起きると口の中がネバネバする。なんとなく口臭が気になる。

実はこれらは、歯周病の初期〜中期に見られる代表的なサインです。それでも「痛くないから、まあ大丈夫か」「ちょっと疲れているだけかな」と放置されやすいのが、この病気の一番の特徴といえます。

その間にも歯周病菌は歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)の奥へと進み、歯を支えるあごの骨を少しずつ溶かしていきます。「歯がグラグラして噛めない」と気づいた時には、かなり進行していて歯を残すのが難しくなっているケースもあります。そして恐ろしいのが、糖尿病や心疾患を導いてしまう極悪選手でもあるのです。

静かさ、気づかれにくさ、年単位の長期戦、全身への拡散。総合力で今年の王者に輝きました。

でも、この選手権……実は参加しないのが一番です!

でも、この選手権……実は参加しないのが一番です!

ここまでトップ5をご紹介してきましたが、正直なところ、この選手権にはエントリーしないのが一番です。

大切なのは、「痛くない=問題なし」ではないということ。虫歯も、歯のヒビも、根の病気も、歯周病も、痛みが出る前の早い段階で見つかれば、削る量を抑えられたり、神経を残せたり、選べる治療の幅が広がることがあります。

定期検診は「痛いところを探すための機会」ではなく、「痛くなる前の小さな変化を見つけ、ご自身の歯を守るための機会」です。検診では、レントゲンやお口の中のチェックで今回ご紹介したような“静かな選手たち”がひそんでいないかを確認するほか、歯磨きでは落としきれない汚れのクリーニングも行います。何も痛くない今こそ、実はお口の健康を守るいちばんのタイミングなのです。

もし今回のランキングを読んで、「そういえば何年も歯医者に行っていないな」「痛くはないけど、歯磨きで血が出ることがあるかも」と思い当たった方は、この機会にお口の状態をチェックしてみませんか?

定期検診のご予約やお口のご相談は、お電話のほか、24時間受付のWEB予約もご利用いただけます。「ちょっと見てもらおうかな」という軽い気持ちで大丈夫です。スタッフ一同、皆さまのご来院をお待ちしております!

 

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