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「治療したばかりなのに、どうして痛いの?」皆様のご不安にお答えします

2025.12.08
「治療したばかりなのに、どうして痛いの?」皆様のご不安にお答えします

こんにちは!アルティス歯科・矯正・口腔外科クリニック西宮北口の歯科助手Mです。

「治療しているのになぜか痛い」「これって、もしかして治療が失敗したの?」

歯の治療を頑張ったのに、治療中や治療直後にズキズキとした痛みや違和感があると、誰しもが不安になってしまうものですよね。特に、虫歯を削った歯に仮の蓋をしている時や、神経の治療(根管治療)の後だと、「この痛みはいつまで続くの?」と心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私たち歯科助手も、患者様からこのようなご質問をいただくことがよくあります。「せっかく治療したのに、また痛みが出てきたらどうしよう」そうした患者様の不安そうなお顔を拝見するたびに、胸が締め付けられる思いがします。

ご安心ください。多くのケースで、その痛みや違和感は、体が懸命に傷を「治そう」としている過程で起こる、ごく自然な反応なのです。まるで、転んで擦りむいた膝が、治っていく過程で少しヒリヒリするのと同じように、歯もまた、回復に向けて変化している最中なのです。

今回は、そんな治療中や治療後の「一時的な痛み」について、その理由と、患者様ご自身でできる対処法や注意点をお伝えしたいと思います。この記事を読んでいただくことで、皆様の不安が少しでも和らぎ、安心して治療の続きや、その後の生活を送っていただけることを願っています。アルティス歯科・矯正・口腔外科クリニック西宮北口は、皆様のお口の健康を全力でサポートいたします。

1. 「治療が失敗したの?」と感じる痛み…いいえ、それは体が「治ろう」とする自然なサインです

歯の治療は、虫歯を取り除いたり、感染した神経をきれいにしたりと、歯やその周りの組織にとって大きな刺激となります。これは、例えるなら「小さな外科手術」のようなもの。人間の体は、外部からの刺激やダメージを受けると、傷を修復し、元の状態に戻そうとする自然治癒力が備わっています。

そのため、治療が成功していても、一時的に痛みや違和感が生じることは決して珍しいことではありません。この痛みは、体が傷ついた組織を修復しようと、血液を集めたり、炎症反応を起こしたりする過程で起こる、ごく自然な反応なのです。決して治療の失敗ではありませんので、まずはこのことをご理解いただけると幸いです。

2. 治療中の歯、治療後の歯が痛む主な理由とそのメカニズム

具体的に、どのようなメカニズムで痛みが起こるのか、主な原因を詳しく見ていきましょう。

2-1. 歯の神経が一時的に敏感になっているため

歯は、外側からエナメル質、象牙質、そして中心に神経(歯髄)が通る構造になっています。虫歯が深く、神経に近い部分まで削る治療を行った場合、治療による振動や摩擦熱、詰め物をする際の薬剤などが、歯の神経に直接的、あるいは間接的に刺激を与えることがあります。

象牙質の中には、象牙細管と呼ばれる非常に細い管が多数通っており、この管を通じて外部からの刺激が神経に伝わります。深い虫歯の治療では、この象牙細管が露出しやすくなるため、神経が一時的に過敏な状態になりやすいのです。

その結果、冷たいものや熱いものがしみたり、噛んだ時に痛みを感じたりすることがあります。まるで、怪我をした部分がいつもより敏感になるのと同じようなイメージです。通常、この痛みは数日から1週間程度で徐々に落ち着いてきます。神経が刺激に慣れ、周囲の組織が修復されるにつれて、敏感さも和らいでいくでしょう。

2-2. 治療による一時的な炎症

歯の治療は、先述の通り小さな外科手術のようなものです。虫歯を削る、感染した組織をきれいにするなどの処置は、周囲の歯茎や、歯を支える骨の中にある歯根膜(しこんまく)などの歯周組織にも少なからず影響を与え、一時的な炎症を引き起こすことがあります。

炎症とは、体が傷を治そうとする過程で起こる防御反応の一つです。血管が広がり、血液が集まることで、患部が腫れたり、熱を持ったり、ズキズキとした痛みが生じたりします。また、歯が浮いたような感覚も、歯根膜の炎症によるものです。これは、体が傷を治そうとしている過程で起こる自然な反応であり、多くの場合、数日で治まってきます。時間の経過とともに炎症が引いていくことで、痛みも徐々に解消されていきます。

2-3. 仮の詰め物(仮封)が原因の場合

生活歯(神経が生きている歯)に深い虫歯の治療を行い、最終的な詰め物が入るまでの間に、歯を保護するために仮の蓋(仮封)をする場合があります。この仮封をしている期間に痛みを感じることもあります。仮封には、治療中の歯を保護し、感染を防ぎ、治療薬を保持するといった非常に重要な役割があります。

噛み合わせの問題

仮封は、最終的な詰め物とは異なり、その場で形を整えるため、わずかに高さが合っていないことがあります。このミリ単位のわずかなズレでも、噛んだ時に特定の歯に強い力がかかり、痛みが生じることがあります。特に、食事の時など、噛みしめるたびに痛みを感じる場合は、仮の蓋の高さが原因である可能性が高いです。これは調整することで改善されることが多いので、もし違和感があればすぐにご連絡ください。

素材による刺激

仮封の素材自体は、歯への刺激が少ないものが選ばれています。しかし、治療直後の敏感な歯にとっては、それでも一時的にしみるような感覚や、軽い違和感があることもあります。これは神経が回復する過程で起こる一過性のものなので、しばらく様子を見ることが大切です。

仮封の密閉性

仮封はあくまで一時的なものです。最終的な詰め物のように完璧に密封されているわけではないため、ごくわずかな隙間から飲食物の温度刺激が伝わって、しみることがあります。また、わずかながら細菌の侵入を完全に防ぐことは難しいですが、仮封はそれでも歯を保護し、治療後の安定を保つための重要なステップです。

2-4. 根管治療(神経の治療)後の痛み

根管治療は、歯の根の中にある感染した神経や血管(歯髄)を取り除き、根管内をきれいに消毒し、薬を詰める非常にデリケートで複雑な治療です。この治療の過程で、以下のような理由から、治療後しばらく痛みや違和感が出ることがよくあります。

治療中の機械的刺激

根管内部の感染源を徹底的に除去するためには、非常に細い器具を使って根管の壁を削り、清掃します。この際、器具が根管の先端にある「根尖(こんせん)」という部分や、その周囲の組織(歯根膜)に触れたり、わずかに刺激を与えたりすることがあります。これが炎症を引き起こし、痛みの原因となります。

消毒薬による化学的刺激

根管内の細菌を死滅させるために、強力な消毒薬を使用します。この消毒薬が、ごくわずかに根尖周囲の組織に作用し、一時的な刺激を与えることがあります。

炎症反応

根管内にあった細菌や感染物質が治療によって取り除かれると、体がその炎症を治そうと反応します。この治癒過程で、一時的に炎症性の物質が放出され、歯根膜が炎症を起こすことがあります。これが、ズキズキとした痛みや、歯が浮いたような感覚として感じられるのです。これを「フレアアップ」と呼ぶこともあります。

根管充填時の圧力

きれいに清掃・消毒された根管には、最終的にガッタパーチャと呼ばれるゴムのような材料を隙間なく詰めます。この充填時に、わずかな圧力が根尖周囲にかかり、一時的な痛みが生じることがあります。

 

多くの場合、根管治療後の痛みは23日、長くても1週間程度で落ち着くことが多いです。神経がない歯でも痛みを感じるのは、歯の周囲にある歯根膜や骨に炎症が起こっているためです。これは体が回復しようとしている過程で起こる痛みであり、根管治療が成功に向かっている証拠とも言えます。

3. 「虫歯が取り切れていない?」「治療に不手際があった?」患者様のお声に寄り添って

「せっかく治療したのに痛いなんて、もしかして虫歯が取り切れていないのでは?」

「治療がうまくいかなかったのではないか?」

患者様がそうお感じになるのも無理はありません。

私自身も、過去に深い虫歯の治療を受けた際、治療後に冷たいものが数日間しみる経験がありました。その時、「これで本当に大丈夫なのかな?」と、不安な気持ちになったことを覚えています。しかし、担当の先生から「深く削ったから神経が一時的に敏感になっているだけで、数日すれば落ち着くからね」と丁寧に説明を受け、安心することができました。このように、患者様が抱える不安の多くは、「なぜ痛むのか」という理由が分からないことにあると感じています。

アルティス歯科・矯正・口腔外科クリニック西宮北口では、患者様が安心して治療を受けられるよう、治療前はもちろん、治療中や治療後にも、痛みや今後の見通しについて丁寧にご説明するよう心がけています。レントゲン写真や口腔内カメラを用いて、目で見て理解しやすいようにご説明したり、疑問に感じたことはどんな些細なことでもお尋ねいただけるような雰囲気づくりを大切にしています。

治療後の痛みは、多くのケースで、体が「回復」に向かっている証拠なのです。もちろん、痛みの感じ方には個人差があり、同じような治療でも全く痛まない方もいれば、敏感に痛みを感じる方もいらっしゃいます。患者様一人ひとりの感じ方に寄り添い、丁寧なサポートをすることが私たちの使命だと考えています。

4. 治療後の痛みを和らげるために、ご自宅でできること

では、治療後の痛みを和らげ、快適に過ごしていただくために、患者様ご自身でできることは何でしょうか。

4-1. 熱いもの、冷たいもの、刺激の強い食べ物は避けてください

治療後の歯は非常に敏感になっています。熱すぎるものや冷たすぎるものは、神経に直接刺激を与え、痛みを強く感じさせてしまう可能性があります。また、酸っぱいもの(柑橘類など)や辛いもの(香辛料など)などの刺激物も、患部の炎症を悪化させたり、負担をかけたりすることがあるため、避けるのが賢明です。

具体的には、

・温かい飲み物や食事は、人肌程度の「ぬるめ」にしていただく。

・冷たい飲み物やアイスクリーム、かき氷などは、できるだけ控えるか、患部に当たらないように工夫する(ストローを使うなど)。

・酸味の強いフルーツジュースや、辛いラーメン、カレーなどはしばらく控える。
といったことを意識してみてください。

4-2. 硬いもの、粘着性のあるものは噛まないようにしてください

特に仮封(仮の詰め物)をしている場合、硬いものを噛むと、その詰め物が外れてしまったり、欠けてしまったりするリスクが高まります。また、ガムやキャラメルのような粘着性の強い食べ物も、仮封を引っ張って外してしまう原因になることがあります。仮封が取れてしまうと、細菌が侵入しやすくなり、再び痛みや感染を引き起こす可能性があります。

治療中の歯は、非常にデリケートな状態です。回復を妨げないためにも、お食事の際は、

・柔らかく、あまり噛まなくても良いもの(おかゆ、うどん、スープ、豆腐、柔らかいパン、煮物など)を選ぶ。

・患部の歯ではない方で噛む(特に仮の蓋をしている場合は徹底してください)。

・煎餅、ナッツ類、フランスパンのような硬いもの、ガムやキャラメルのような粘着性の食べ物は避ける。

ことを強くお勧めします。

4-3. 処方された痛み止めを服用する

もし痛みが気になるようでしたら、無理に我慢せず、歯科医師から処方された痛み止めを指示通りに服用してください。痛み止めは、痛みや炎症を和らげ、精神的な負担を軽減するだけでなく、体を安静に保つことにも役立ちます。

市販の痛み止めでも一時的に痛みを和らげることはできますが、症状によっては効きにくい場合や、根本的な解決にならない場合もあります。また、ご自身の判断で服用を続けるのはリスクが伴う可能性もありますので、まずは当院にご相談ください。適切な痛み止めの種類や服用方法についてご案内いたします。

4-4. 口腔内を清潔に保つ

4-4. 口腔内を清潔に保つ

痛む部分を刺激しないよう、優しく丁寧に歯磨きをしてください。清潔に保つことは、感染を防ぎ、治癒を促進するために非常に重要です。歯ブラシは柔らかめのものを選び、患部周辺は特に力を入れず、小刻みに優しく磨きましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシを使用する際は、患部に直接刺激を与えないよう注意し、無理のない範囲で行ってください。お口の中を清潔に保つことで、細菌の増殖を抑え、炎症がさらに悪化するのを防ぎ、回復を早めることができます。

4-5. 激しい運動や長時間の入浴、飲酒・喫煙は避ける

治療当日から数日間は、激しい運動や長時間の入浴、飲酒、喫煙は控えるようにしましょう。これらの行動は、血行を促進し、一時的に炎症部位への血流が増加することで、痛みが強くなることがあります。特に、お風呂で体を温めすぎたり、アルコールを摂取したりすると、血行が良くなりすぎて、ズキズキとした痛みが強く感じられることがあります。

喫煙は、血流を悪化させ、免疫機能を低下させるため、傷の治りを遅らせるだけでなく、感染のリスクも高めます。治療中はできるだけ控えることを強くお勧めします。安静にして体を休めることが、回復への近道です。

5. 「これはおかしいな」と感じたら、すぐにご連絡を!

ここまで、治療後の痛みの多くは一時的なもので、回復のサインであるとお伝えしてきました。しかし、中には注意が必要な痛みや症状もあります。以下のような症状が見られる場合は、遠慮なくアルティス歯科・矯正・口腔外科クリニック西宮北口までご連絡ください。

痛みが日に日に強くなる、または1週間以上続く場合

数日で改善が見られず、痛みが悪化している、あるいは長期間続く場合は、別の原因や感染が疑われることがあります。

何もしていなくてもズキズキと激しい痛みが続く場合

安静時にも耐えがたいほどの激しい痛みが持続する場合は、早急な対応が必要となることがあります。

患部の周りが腫れてきたり、赤みが増したり、熱を持ったりする場合

痛みに加えて、見た目の変化(腫れや赤み)、あるいは発熱などの全身症状がある場合は、感染が広がっている可能性も考えられます。

仮封(仮の詰め物)が取れてしまった、または欠けてしまった場合

仮封が取れると、治療中の歯が無防備な状態になり、細菌感染や温度刺激を受けやすくなります。必ずご連絡ください。

噛み合わせが不自然で、顎や他の歯まで痛くなってきた場合

仮封の高さ調整が必要なサインかもしれません。放置すると、他の歯にも負担がかかることがあります。

これらの症状が見られる場合は、感染が疑われたり、噛み合わせの調整が必要だったり、他の原因が考えられる場合があります。私たちスタッフが状況を詳しくお伺いし、必要に応じて改めて診察の予約をお取りします。ご連絡いただく際には、「いつから」「どんな痛みか(ズキズキする、しみる、噛むと痛いなど)」「何をした時に痛むか」「腫れや熱はあるか」など、できるだけ詳しくお伝えいただけると、スムーズな対応が可能です。

6. よくある質問(FAQ)

患者様からよくいただく質問とその回答をまとめました。

Q1: 痛み止めはいつまで飲んでいいですか?

A1: 歯科医師から処方された痛み止めは、指示された服用回数や期間を守って服用してください。痛みが続く場合でも、自己判断で量を増やしたり、長期的に服用し続けたりせず、まずは当院にご相談ください。痛みの原因を特定し、適切な処置を行う必要があります。

Q2: 冷たいものがしみるのはいつまで続きますか?

A2: 歯の神経が一時的に敏感になっていることによる知覚過敏の場合、通常は数日から1週間程度で徐々に落ち着くことが多いです。しかし、個人差があり、より長く続くこともあります。もし痛みが改善しない場合は、再度診察させていただければ、原因を特定し、知覚過敏を抑える処置などもご提案できます。

Q3: 神経を取ったはずなのに、なぜまだ痛いのですか?

A3: 神経を取った(根管治療をした)歯でも、歯の根の周囲にある歯根膜や、歯を支える骨などの組織は生きています。根管治療後の痛みは、この周囲組織の炎症や、治癒過程で生じる反応が原因であることがほとんどです。多くの場合、23日から1週間程度で落ち着いてきます。ごく稀に、根管内の感染が完全に除去できていなかったり、新たな炎症が生じたりしている可能性もありますので、痛みが長引く場合はご連絡ください。

Q4: 仮の蓋(仮封)が取れてしまいました。どうすればいいですか?

A4: 仮の蓋が取れてしまった場合は、すぐにアルティス歯科・矯正・口腔外科クリニック西宮北口にご連絡ください。取れてしまった仮の蓋は、可能な範囲で保管してお持ちください。仮の蓋がない状態が続くと、歯が刺激を受けやすくなったり、細菌が侵入して再び感染を引き起こしたりするリスクがあります。早急に再来院いただき、新しい仮の蓋をする必要があります。

Q5: 痛みが引いたので、もう次の予約に行かなくても大丈夫ですか?

A5: 痛みが引いても、治療はまだ完了していません。仮の蓋をしている場合、最終的な詰め物や被せ物をするまでの間は、歯が完全に保護されている状態ではありません。予定通りの治療を進めることが、お口の健康を長期的に守るために非常に重要です。自己判断で通院を中断せず、必ず次のご予約にお越しください。

7. 最後に:皆様のお口の健康を、全力でサポートします

歯の治療は、患者様にとって負担のかかるものです。だからこそ、アルティス歯科・矯正・口腔外科クリニック西宮北口では、患者様一人ひとりの不安に寄り添い、丁寧な説明と安心できる治療を心がけています。治療後の痛みは、多くの場合は体が治癒に向かっている証拠ですが、「なぜ痛むのだろう?」という疑問や不安を感じたら、いつでも私たちにご相談ください。

私たちは、皆様が安心して治療を終え、健康的な笑顔で毎日を過ごせるよう、全力でサポートさせていただきます。これからも、皆様のお口の健康を守るパートナーとして、アルティス歯科をどうぞよろしくお願いいたします。

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