衛生士の私が実践している口腔ケア(後半) 2024年11月18日
皆さんこんにちは。アルティス歯科・矯正・口腔外科クリニック西宮北口の歯科衛生士のRです。
前回は、私自身の口腔ケアをご紹介いたしました。今回はその後半です。
寝落ちしてしまった時のルーティン
時間がしっかりある時のブラッシング法を前回お話ししましたが、うっかり寝落ちしてしまうこともあります。
その時の翌朝の口の中はすさまじい悪臭が充満しています。
普段どれだけケアをしていても寝る前に歯磨きをしないというだけで菌は元気活発に
繁殖をしてしまうのです。
こういった菌の繁殖時間を長く与えてしまうと…。
虫歯菌や歯周病菌の繁殖の手助けを自分自身でしてしまうことになります!
こういった日が続くことは危険です。
歯磨きの回数が少ない方や歯磨きをあまりしないという方は常にこの状態になります。
そうなると歯や歯ぐきは菌に攻撃をされつづけて、ずっと攻撃をされ続けると負けてしまい虫歯や歯周病になるのです。
そういったことを常に感じているので歯磨きを頑張ることが出来ています。
寝落ちしてしまった翌朝は初めに洗口剤でうがいをして繁殖してしまった菌を殺洗い流してから①の工程からするようにしています。
洗口剤から始めるのは、水のみのうがいだと菌を洗い流すことはある程度出来ても消毒作用がないので洗口剤ほど菌を殺すことが出来ないからです。
洗口剤を使わないまま①から始めると菌が繁殖しきった状態からケアを始めることになるので①~⑤まで工程が終わっても、歯磨きをして寝た後の日よりも口のなかの不快感が
出てくる時間が早くなります。
減らさないといけない菌の数が増えて歯磨きをしても勝てなくなってる状態です。
しかし、洗口剤で増え切った菌の数をあらかじめ減らしてあげるとケアの後に
口臭が出てくるまでの時間を大幅に伸ばすことが出来ます。
普段のケアの後と変わらないぐらいの状態にすることが出来ます。
これらのルーティンの理由
これらのケアのルーティンは学校で習ったことだけではなく、自分自身で試行錯誤して
良いと思ったことを続けている部分も多いです。
厳密には、口腔内のケア方法は「絶対的に正しい」と言い切れるものではなく、多種多様な方法と考え方があります。
磨く時間の長さについて
歯磨きをするときにもう一つ大事なポイントがありますが、それは磨く時間の長さです!
汚れが取れる角度で磨いたとしても、磨く時間があまりにも短いとそもそも汚れが
取れません! 1~2分で終わらすという人は要注意です。。
5分は磨くことをおすすめします!
歯並びによってはもっと時間をかけて磨く必要がある方もいるので個人差はあります。
私自身も衛生士学校で、歯垢染色剤を使って100%磨き実習という授業を受けるまでは
なんとなく歯磨きをしていましたが、染色液は歯垢(プラーク)の磨き残しをピンク色に分かりやすく染めて
くれるので、どれくらい磨かないとプラークが取れないかがわかります!
その時は なんと10 分以上はかかりました。。。
赤く染まって見えているプラークを取るのに10分以上かかるのに、普段見えていないプラークが2,3分で取れるはずがありません。
1ヵ所をこんなに丁寧に磨かないと汚れが取れないのかとすごく勉強になりました。
その時使った歯ブラシがテーパード毛タイプの歯ブラシだったので時間がかかったのもあ
ります。なので私はラウンド毛の歯ブラシで全体を磨くようにしてます。
テーパード毛は歯周ポケットや被せ物の境目を磨きたい時に適しています。
ただ、どちらも使うのは面倒という方にはどちらがより適しているかこちらで選んで
お勧めています。
ただし、気をつけていただきたいのは、漫然と長い時間磨けばよいということではありません。たとえ、時間をかなりかけても同じ面、同じ部分ばかり磨いて、全く磨いていない部分が残っていては完全とは言えません。だからこそ、歯ブラシのみでは磨ききれない部分専用の歯間ブラシやフロスと言った補助用具も必ず使う必要があります。
歯磨き指導について患者さんと接してて感じること
歯磨き指導を受けるのが好きな方、あまり好きでない方がいられるのは普段色んな患者さんと接してて感じます。
もっと指導をしてほしいという姿勢で来られる方には積極的に指導をさせて貰いますが、
そうでない方にはやむを得ず要点だけお伝えするということもあります。
長く関係を続けていく上ではある程度気楽な関係性というのも必要だと思います。
なのでその方の求めているコミュニケーションは何かを考えながら日々患者さんと接する
ようにしています。
何より定期的に口腔のケアを続けていくということが大事なので、患者さんにずっと通いたいと思ってもらえるように接していけたらと思っています。